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[report.01] 岡山県レスキューレポート

岡山から東京へ…。ひどい環境から脱して幸せになったエンちゃんのお話し

< レスキュー訪問と出会い >

2015年2月、レスキュー活動に参加しました。現状は想像以上にひどい状態で、27頭の犬たちが飼育されていました。隅々まで行きわたらない冷暖房設備、入れっぱなしで放置したエサ、飲み水は茶色く濁り、ネズミやゴキブリの糞や死骸がありました。犬たちの健康状態も悪く、骨折や片足のない犬など、負傷した状態のまま飼育されていました。飼い主さんは以前、トリミングスクールや繁殖事業をされていたようですが、ご自身が高齢となり、犬たちの面倒がみきれない状態になったようです。

県内、県外のボランティアさん、トリマーさんに協力いただき、何度もお宅を訪問し、時間をかけて犬たちを譲渡する(他の方に飼い主になってもらう)ことを説得しました。6頭の犬たちは「繁殖目的で高値で購入したから譲れない」などの理由で拒否されたため、譲渡許可の出た21頭を救うべく、活動を開始しました。

現場があまりにもひどく、初めは掃除くらいしかできませんでしたが、定期的に訪問してトリミングができる環境まで整えました。努力が実り、最終的には全ての犬たちを譲渡できました。約2年間の活動でしたが、エアコンがない真夏の状況で夏を越せず残念な結果になった子もいます。そんな活動の中で「エンちゃん」と出会いました。

▲ (左)レスキュー現場の様子。プライバシー保護とひどい状況のため、一部画像処理をしております。(右)寄付していただいた新しいゲージと清掃後の様子

< そして岡山から東京へ! >

譲渡先が見つかったエンちゃんでしたが、そのお宅の先住犬とうまく馴染めず、戻ってくることとなりました。「またあの環境に戻るのは可哀想だ…」と友人でもあるDOGROOM AZUANさんに相談したところ、「東京で何とかする(譲渡先を見つける)から今すぐ連れてきて!」と何とも頼もしすぎるお話をいただき、ペットショップリーマさんのご協力のもと、エンちゃんは無事東京にたどり着くことができました。ところがエンちゃんがあまりにも可愛らしく、性格もよかったため、AZUANさん自ら引き取りたいということになり(笑)、亡くなるその日までたくさんの家族の中で幸せな毎日を過ごすことができました。

▲ みんなでお昼寝中、おしゃれ姿もあの頃からでは考えられなかったですね。

水とエサだけ与えればネグレクト(飼育放棄)にならない?!

近年、幼児に対する「ネグレクト」(育児放棄)という言葉をニュースでも聞くようになりましたが、動物飼育でも深刻な問題となっています。今回の岡山レポートでも、飼い主を説得するため保健所の協力のもと警察にも支援を求めましたが、アドバイスしかもらえず、直接介入までは至りませんでした。理由としては、飼い主には「所有権」があるので他人が介入しにくいこと、どんな劣悪な環境にあっても「水」と「エサ」を与えていればネグレクトにならない、ということです。しかし、他人であるから気付ける問題もあり、本人が解決できないから他人が援助することができることもあります。

愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪です。違反すると、懲役や罰金に処せられます。 動物虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為のことをいい、正当な理由なく動物を殺したり傷つけたりする積極的な行為だけでなく、必要な世話を怠ったりケガや病気の治療をせずに放置したり、充分な餌や水を与えないなど、「ネグレクト」行為も含まれます。飼い主(所有権がある)だから許されるということでは勿論あるはずではなく、飼い主一人ひとりのモラルと愛情が問われています。

日本人の優しさや親切心が海外で評価を得る一方、日本は動物愛護「後進国」と言われています。もっと身近な小さな命にも向けられる優しさが広がってくれることを願ってやみません。

(取材協力:DOG BEACH)