Foster Salon . japan

[report.08] 病気と知識

狂犬病とその予防法について

「狂犬病」ってどんなもの?

フォスターサロンでは、保護動物に対して、ワクチン接種や血液検査等を行います。その中でも必ず出てくる名前が「狂犬病」。みなさんは「狂犬病」と聞いて、どんな事を思い浮かべますか?

「こわい病気」「今の日本にはない病気だから大丈夫」等々…。

病気の怖さについてはご存知の人も多いでしょうが、狂犬病は私たち人間を含め、哺乳類や鳥類等に発病する可能性がある大変怖い感染症です。世界各国で発生し、万が一発症した場合、医療が進んでいる現代社会においても治療法はなくほぼ100%の致死率です。

既に発症をしている動物に咬まれたり引っ掻かれたりする事で、唾液に含まれるウイルスにより日本国内では人への感染は昭和31年、動物への感染は昭和32年に猫での発生が最後とされ、その後は海外渡航者が帰国後に発症し、死亡した例が2例確認されています。国によって予防接種の有無や回数が異なるのは、検疫の方法や認可等の違い、感染経路が 異なるためで、必ずしも海外の対応が日本に当てはまるとは言い難いのです。

もし、国内で狂犬病の発生が確認された場合、発生地域全ての犬に感染の蔓延防止のため、様々な措置が取られるようになります。また、飼い犬の未登録、予防接種の未接種、鑑札や注射済票の未装着が発覚した場合は「狂犬病予防法違反犬」として捕獲・抑留の対象となり、狂犬病が発生した際、最悪感染が強く疑われるような場合は致死処分対象となってしまいます。

飼い主の判断一つで犬たちの命を守れるか、それとも命の危険にさらされてしまうか…。全ては飼い主いである私たちにゆだねられています。

「狂犬病予防法」

日本では昭和25年に「狂犬病予防法」が制定され、現在でも法律で施行されています。この法に基づき、犬の飼い主には以下の事が義務付けられています。

1.現在居住地している市区町村に飼い犬の登録を行うこと
2.飼い犬に年1回、狂犬病予防接種を受けさせること
3.犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること

私たちは犬を家族として迎え入れた際、30日以内に居住地の市区町村にて犬の登録を行う事、また、生後91日以上の犬には狂犬病の予防接種を受けなければなりません。その後は、1年に1回、予防接種時期(4月~6月)に接種し、免疫を補強します。犬の登録後は鑑札の交付、予防接種後は注射済票がそれぞれ交付され、これらの鑑札は犬に 必ず装着する事が法律で義務付けられています。体調の理由により接種が難しいと獣医師が診断した犬には「狂犬病予防注射猶予証明書」が発行されるので、今まで体調を理由に接種していなかった方は獣医師にご相談してみて下さい。

届け出の必要性は知っていても、鑑札や注射済票の装着が法律で義務付けられているという事を初めて知った人も少なくないかもしれません。飼い犬の市区町村への未登録、鑑札未装着及び、狂犬病予防未接種、注射済票未装着の場合、なんと20万円以下の罰金対象となります。皆さん、ご存知でしたか!?これらの罰則は飼い主としての義務をしっかり守っていれば回避できる事ですが、義務を怠ってしまうと罰則対象となってしまいます。罰則を受けるも受けないも、全ては飼い主の意識と行動次第です。

これらが義務付けられている背景には、

(1)犬の所有を明確にする
(2)飼育場所を把握する

という目的があります。人間でいう「戸籍」のような役割とも言えますね。もし、自分の犬が迷子になってしまった時には、装着している鑑札が迷子札の役割となり、登録番号により所有者が判明し、家族の元に無事帰れるケースもあります。また、万が一国内で狂犬病が発生した場合には登録番号等で迅速な確認を行い、蔓延防止を行うためでもあります。

▲ 大切な存在のために、飼い主としてルールを知って守ることはとても重要です。

「いちいち届け出を行うのが面倒」「届け出していなくたってバレなきゃ大丈夫」……現在の日本では狂犬病の予防接種は「法律」で定められています。自分だけは大丈夫!という考えではなく、飼い主としての義務と責任をしっかりと持ち、健やかで幸せな犬との共生を過ごしていきましょう。